不眠症(睡眠障害)
このようなお悩みはございませんか?
- なかなか眠れない
- ベッドに入ってから眠るまで時間がかかる
- 夜中に何度も目が覚める
- 眠りが浅い
- 朝早く目が覚めてしまう
- 眠りが浅くて疲れがとれない
- 日中の眠気が強い
- 十分な睡眠時間を取っているのに眠い
- 寝ても疲れが回復しない
- 集中力が低下した
不眠症(睡眠障害)とは

「睡眠障害」とは、ぐっすり眠れていないために、日中に眠くてつらい、集中できない、イライラするなどの症状が出てしまう状態のことです。
例えば、なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚めてしまう、朝早く起きてしまうなどが、睡眠障害の代表的な症状です。
不眠症(睡眠障害)で見られる症状
睡眠障害・不眠症は、「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」の4つのタイプに分けられます。
【入眠障害】
入眠困難とは、なかなか寝付けないずベッドの中で時間が過ぎてしまうような状態です。
入眠障害に悩まされている人は、眠る前に心配ごとや悩みごとをつい考えてしまう傾向があります。
日本睡眠学会は、入眠潜時が2時間以上と定義される状態を入眠障害と定めています。
しかし、臨床的には、客観的な睡眠潜時の長さだけでなく、主観的な睡眠の質に対する苦痛や、日中の機能障害の有無が診断の重要な要素となります。
【中途覚醒】
中途覚醒とは、一度眠りについた後、夜中に目が覚めてしまい、再び寝つくことが困難な状態を指します。
そして、この中途覚醒は、「睡眠維持障害」とも呼ばれることがあります。
症状の現れ方には個人差があり、目覚めてしまう時間帯や回数も人それぞれです。 加齢によって起こることも多く、仕事や人間関係の悩みなどのストレス、
夜中に何度もトイレに行きたくなる夜間頻尿や睡眠時無呼吸症候群などが、夜中に何度も目が覚めるなどの要因が関係しているとされています。
【早朝覚醒】
早朝覚醒とは、普段よりも2時間以上も早く目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けない状態のことです。
通常の起床時刻より2時間以上前に目が覚めてしまい、再び寝つくことが困難になります。
早朝覚醒は、うつ病のサインとして現れることも多く、特に注意が必要です。他にも、年齢を重ねることやストレス、更年期など、様々な原因が考えられます。
【熟眠障害】
熟眠障害は、熟眠できない状態を指し、眠りが浅いと感じたり、何度も目が覚めてしまうため、熟睡感が得られないのが特徴です。
熟眠障害の原因には、寝ている間に呼吸が止まってしまう睡眠時無呼吸症候群や寝ている間に足が勝手に動く周期性四肢運動障害などの病気も睡眠の質を低下させる原因の一つです。
不眠症(睡眠障害)の原因
ストレス
ストレスは自律神経系のバランスを崩し、特に交感神経の過剰な活性化を引き起こすことで、入眠困難や中途覚醒などの不眠症状を誘発します。
副交感神経の働きが抑制されることで、リラックス状態に移行しにくくなるためです。
自律神経は、私たちの意識とは無関係に、体内のバランスを自動的に調整しています。しかし、ストレスにさらされると、交感神経が過剰に働いてしまい、このバランスが崩れてしまいます。
夜になっても交感神経が優位な状態が続くと、リラックス状態へと切り替わるのが難しくなり、不眠へとつながることがあります。
生活リズムの乱れ
毎日同じ時間に寝て起きる生活リズムが、ぐっすり眠るための秘訣です。
シフト勤務や夜更かしなど、不規則な生活は、私たちの体の時計を狂わせてしまい、なかなか寝付けない原因になります。
休日だからといって、寝だめもおすすめできません。 平日も休日も、できるだけ決まった時間に寝て起きるように心がけましょう。
夜勤がある方は、休憩時間に少しだけでも横になる時間を作りましょう。昼間に眠る時は、部屋を暗くして、静かな場所で眠るようにすると、より質の高い睡眠が得られます。
こころの病気
慢性的な不眠に悩まされている人の30~50%は、うつ病をはじめとする何らかのこころの病気をもっていると言われています。
不眠は、うつ病、統合失調症、不安神経症などの精神疾患における代表的な随伴症状であり、これらの疾患の診断・治療において重要な指標となります。
慢性的な不眠が続く場合は、抑うつ気分、意欲低下、不安感などの精神症状を伴っている可能性が高いため、精神科医への受診をおすすめします。
からだの病気
からだの病気が原因となることもあります。 具体的には、外傷や関節リウマチ、高血圧や心臓病、呼吸器疾患などの身体の不調が原因で夜眠れなくなることがあります。
これらの身体的な問題を改善することで、不眠症状も軽減される可能性があります。
加齢
加齢が原因となる場合もあります。 60歳を超えると、日中の活動量が減ったり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えたりすることで、
寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めてしまう人が増えます。また、加齢に伴うホルモンバランスの変化も、不眠の一因となることがあります。
太陽の光を浴びたり、運動することで体内リズムを整え、睡眠の質を高めましょう。同時に、生活習慣病予防にもつながります。
不眠症(睡眠障害)の治療法
薬物療法
睡眠薬には、大きく分けて3つの種類があります。
それぞれの薬には、効果だけでなく、副作用におけるデメリットもあるので、患者様の症状に合わせて適切な治療薬を処方します。
GABA受容体作動薬
脳をリラックスさせる薬で脳の興奮を抑え、リラックス状態を作り出すことで、眠りやすくなります。
メラトニン受容体作動薬
体内時計を調整する薬で体内の眠気を促す物質(メラトニン)の働きを助けることで、自然な眠りを誘導します。
オレキシン受容体拮抗薬
覚醒を抑制する薬で眠気を覚ます働きのある物質の働きを抑え、眠気を促します。
非薬物療法
薬を使わずに、ご自身の生活習慣を見直したり、考え方を少しずつ変えていくことで、睡眠の質を改善する方法です。
例えば、毎日同じ時間に寝て起きる、寝る前の1時間前からはスマホを控える、寝室を暗く静かにして、快適な温度に保つといった、具体的な生活習慣の改善を行います。
また、睡眠日記をつけたり、睡眠に関する間違った考え方を修正するなど、認知行動療法を取り入れることで、より効果的に睡眠の質を高めることができます。
これらの方法の良いところは、副作用の心配が少なく、ご自身でできることです。