禁煙すると、不安やうつ症状はどうなる?―コクランレビューからわかったこと
「タバコを吸うと気持ちが落ち着く」「禁煙するとストレスや不安が増えるのでは」と感じる方もいるかもしれません。では、禁煙は心の健康にどのような影響を与えるのでしょうか。
コクランレビューとは?
コクランは、世界中の医学研究を評価・統合する国際的なネットワークです。コクランレビューは、医学研究を一定の方法で集め、評価・統合するレビューです。結果の確実性はテーマによって異なります。
禁煙と心の健康の関係は?
このレビューでは、169,500人以上を対象とした102件の研究が検討されました。研究開始時に喫煙していた人について、少なくとも6週間後の心の健康の変化などを調べています。
喫煙を続けた人と比較して、禁煙した人には次の傾向が認められました。
- 不安や抑うつ症状が軽減した
- ストレスが軽減した
- 前向きな感情や、心の健康状態が改善した
- 人間関係など、社会生活の充実度は低下しなかった
これらの結果は、禁煙が長期的に心の健康を悪化させるのではなく、改善につながる可能性を示しています。
注意点
このレビューは、主に禁煙した人と喫煙を続けた人を比較したものです。心の健康の改善が禁煙そのものによるものか、ほかの要因によるものかを完全に区別することはできません。
エビデンスの確実性は、抑うつ症状では「非常に低い」、不安では「低い」、不安と抑うつを合わせた評価では「中程度」とされています。そのため、「禁煙すれば必ず気分がよくなる」と断定することはできません。また、今回の結果だけで、禁煙直後の一時的な症状の変化を判断することはできません。
心の不調がある方も、禁煙について医師に相談できます。不安やうつ症状の治療を続けながら、ご自身に合った方法で禁煙に取り組むことが大切です。
参考文献・引用元
