認知症
このようなお悩みはございませんか?
- 物忘れがひどく、日常生活に支障が出始めた
- 同じことを何度も聞いたり、言ったりする
- 約束や予定を忘れてしまう
- 物をどこに置いたか分からなくなる
- 不安や焦燥感が強くなった
- 今までできていたことができなくなった
- 昼夜逆転の生活になる
- 以前は明るかったのに、無口になった
認知症とは

認知症は、脳の病気や障害など、さまざまな原因によって認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。
単に「物忘れ」が増えるだけでなく、記憶力、判断力、理解力、遂行能力など、さまざまな認知機能が低下します。
認知症で見られる症状
認知症の症状は、大きく分けて「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」の2つがあります。
認知症の進行度合いによって現れ方や程度が異なり、すべての人に同じように現れるわけではありません。
【中核症状】
記憶障害
直前の会話や出来事をすぐに忘れてしまい同じことを何度も聞くなどの近時記憶障害と、子どもの頃や若い頃の出来事の記憶が失われる遠隔記憶障害があります。
見当識障害
時間感覚の喪失(今日の日付や時刻が不明瞭になる)、場所認識の混乱(自宅と病院の区別がつかない等)、人物識別困難(家族や親しい人の認識が曖昧になる)といった見当識障害が現れることがあります。
実行機能障害
計画を立てて物事を順序立てて行うことが困難になり、料理、掃除、買い物などの日常生活に必要な行為が難しくなるなど、段取りを組むことが苦手になります。
失語・失行・失認
失語(言葉が出にくくなる、または人の言うことを理解できなくなる)、失行(道具の使い方が分からなくなる、または服の着方が分からなくなる)、失認(物が何であるか認識できなくなる、または人の顔が分からなくなる)などが見られます。
【周辺症状(BPSD)】
周辺症状(BPSD)は、認知症の中核症状に加え精神症状と行動症状が現れます。
精神症状
抑うつ(気分の落ち込み、意欲低下)、不安(落ち着きのなさ、イライラ)、妄想(事実と異なることを信じ込む)、幻覚(実際にはないものが見えたり、聞こえる)、焦燥(そわそわして落ち着かない)、睡眠障害(昼夜逆転、不眠)などがあります。
行動症状
目的もなく歩き回る「徘徊」、怒りっぽく暴言や暴力を伴う「暴言・暴力」、介護を嫌う「介護への抵抗」、適切な衛生管理ができなくなる「不潔行為」、そして自宅にいる限り「帰宅したい」と言う「帰宅願望」などが挙げられます
認知症の原因
認知症の原因となる病気は、大きく分けて以下の4つがあります。
アルツハイマー型認知症
最も多いタイプの認知症で、脳に「アミロイドβ」や「タウ」といった特殊なタンパク質が蓄積することで、脳の神経細胞が徐々に壊れていく病気です。
血管性認知症
脳梗塞や脳出血など、脳の血管の病気によって脳の神経細胞に酸素や栄養が届かなくなり、神経細胞が壊れてしまう病気です。
レビー小体型認知症
脳に「レビー小体」という特殊なタンパク質が蓄積することで、認知機能だけでなく、自律神経や運動機能にも障害が現れる病気です。
前頭側頭型認知症
脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで、人格変化や行動異常などが目立つ病気です。
認知症の治療法
認知症の治療は、症状の進行を遅らせ、生活の質(QOL)を維持・向上させることを目的としています。
現在の医療では、認知症を完全に治すことは難しいですが、適切な治療とケアによって、症状の進行を遅らせ、生活の質を改善することができます。
薬物療法
認知症の進行を遅らせる薬や、周辺症状(BPSD)を緩和する薬が用いられます。
アルツハイマー型認知症に対しては、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬などが使用されます。
レビー小体型認知症や血管性認知症など、他の種類の認知症に対しても、症状に応じた薬が使用されます。
非薬物療法
認知機能の維持・向上や、認知症に伴う行動や心理症状(BPSD)を和らげることを目的としています。
昔の思い出を語り合うことで、脳を活性化させ、心の安定を図ります。(回想法)
音楽を聴いたり、歌ったりすることで、脳を刺激し、心身のリラックスや認知機能の維持を目指します。(音楽療法)
日常生活の動作訓練や趣味活動を通して、心身機能の維持・向上や、社会性の回復を目指します。(作業療法)
時間や場所、人物などの情報を繰り返し伝えることで、現実感覚を保ち、見当識障害の改善を目指します。(リアリティ・オリエンテーション)
これらの療法は、認知症の方の心理的な安定や、周りの人とのつながりを保つために役立ちます。薬物療法と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。