統合失調症
このようなお悩みはございませんか?
- 誰もいないのに、他人の声や会話が聞こえてくる
- 人が自分の近くで話していることがすべて、自分の悪口や嫌がらせに聞こえる
- 聞こえてくる会話・声が命令の場合、その通りに行動してしまう
- 生活の中での自己管理が難しくなる
- 自分の考えていることが声になって聞こえてくる
- 誰かに監視されている、跡をつけられている
- 会話が途切れたりして上手くできない
- 今まで取り組んでいたことや他人との関わりに興味がなくなった
統合失調症とは

統合失調症は、現実とのかかわり方が歪んでしまう精神疾患です。
幻覚や妄想といった陽性症状、意欲の低下や感情の平坦化といった陰性症状、思考や行動の混乱、そして社会的な機能の低下などが主な症状として挙げられます。
統合失調症で見られる症状
陽性症状
統合失調症の陽性症状とは、まるで晴天に突然現れた虹のような、本来そこにないものが現れるような症状のことです。 妄想や幻覚が代表的で、現実と異なる世界を体験してしまうことで、日常生活に大きな影響を与えます。
幻覚
「テレビで自分のことが話題になっている」「ずっと監視されている」など、実際にはないことを強く確信する。
思考障害
思考が混乱し考えがまとまらず、話もスムーズに進まないことが多く、話のつながりが見えないので、周囲の方は何を伝えたいのか理解するのが難しく感じる。
陰性症状
感情の鈍麻
喜怒哀楽の表現が乏しくなり、他者の感情表現に共感することも少なくなる
思考の貧困
会話で比喩などの抽象的な言い回しが使えなかったり、理解できなかったりする。
意欲の欠如
自発的に何かを行おうとする意欲がなくなってしまう。また、いったん始めた行動を続けるのが難しくなる。
自閉(社会的引きこもり)
外出を避け、他人との関わりを極力避け、孤独を好む。
認知機能障害
記憶力の低下
最近起きた出来事や、以前に覚えたことを思い出せなくなることがあります。また、新しい情報を覚えたり、記憶を保持したりすることが難しくなる場合もあります。
注意力の低下と集中力の低下
以前のように集中して物事に取り組むことができなくなり、気が散りやすくなったり、一つのことに長時間注意を向け続けることが難しくなることがあります。
判断力の低下
物事に優先順位をつけてやるべきことを判断したり、計画を立てたりすることができなくなる。
統合失調症の原因
統合失調症の原因は、まだ完全に解明されていません。しかし、遺伝的な要因や環境的な要因によって統合失調症になりやすい人が、
ストレスや緊張をきっかけに発症すると考えられています。
さまざまな原因の中でも、遺伝の関与は強く示唆されています。通常、統合失調症の発症リスクは1%程度ですが、
統合失調症の親や兄弟姉妹をもつ人では約10%、一卵性双生児の片方が統合失調症の場合だともう一方の双生児では約50%だと言われています。
統合失調症の治療法
統合失調症の代表的な治療として、薬による治療と精神科リハビリテーションがあります。
なるべく早い時期から薬と精神科リハビリテーションを組み合わせた治療を行うことが効果的です。
抗精神病薬
統合失調症の治療には、抗精神病薬が中心的な役割を果たします。この薬は、妄想や幻覚、思考の混乱といった症状を和らげる効果があり、
継続的に服用することで、症状の再発を防ぐことに繋がります。患者さんの状態によっては、抗不安薬(不安や緊張を和らげる)、睡眠薬(不眠を改善する)、抗うつ薬(意欲の低下や気分の落ち込みを改善する)などが、
併用されることもあります。これらの薬は、統合失調症に伴う様々な症状を改善し、より快適な生活を送るために役立ちます。
心理社会的療法
統合失調症の治療には、薬物療法に加えて、認知行動療法(歪んだ思考を修正し、現実的な考え方に導く)、
精神分析療法(無意識の願望や過去の経験を探求し、心の奥底の問題を解決)、対人関係療法(対人関係のスキルを向上させ、人間関係の改善を図る)などの
心理療法が用いられ、患者さんの状態や目標に合わせて、これらの治療法を組み合わせて行うことで、症状の改善や社会復帰を目指します。
精神科リハビリテーション
統合失調症の治療では、薬物療法に加え、社会生活スキル訓練(家事、買い物、対人関係など、日常生活に必要なスキルを習得)、
職業訓練(就労に向けて、職業選択や職場適応に必要なスキルを習得)、レクリエーション(集団活動を通して、社会参加の機会を増やし、人との交流を深める)といった
精神科リハビリテーションが重要です。これらの訓練を通して、患者さんは社会復帰を目指し、より自立した生活を送ることができるようになります。